<B型事業所の訓練と生産活動②>訓練から生産活動へ ― 利用者のステップアップ

ブラッシュアップスクール東北の講師で行政書士の大場です。
このブログシリーズでは、就労継続支援B型事業所の運営に役立つ情報をお届けしています。
前回は「訓練と生産活動の違い」を整理しました。
第2回では、訓練で身につけた力をどのように生産活動へつなげていくか――利用者さんのステップアップについて考えてみましょう。
1. 訓練で育まれる力
訓練は収益を目的とした活動ではありませんが、生産活動への土台となる力を養います。
-
生活リズムを整える
-
集中して作業に取り組む習慣をつける
-
基本的な作業スキルを積み重ねる
この基礎があってこそ、安定して生産活動に参加できるようになります。
2. ステップアップの流れ
訓練から生産活動へ進むとき、大切なのは「段階を踏む」ことです。
・訓練:軽作業や練習的な取り組み
・移行:簡単な実作業(袋詰めやシール貼りなど)
・生産活動:商品やサービスとして提供する作業
小さな成功体験を積み重ねることで、自信を持って次のステップに進めます。
3. 支援者の役割
利用者さんが安心してステップアップできるように、スタッフの関わり方も重要です。
・無理のない範囲で「できること」を増やす
・成功体験を言葉にしてフィードバックする
・失敗しても「改善の工夫」として前向きに伝える
こうした支援の積み重ねが、生産活動への移行をスムーズにします。
訓練はゴールではなく、生産活動につながる「通過点」です。
訓練を通じて利用者さんが力をつけても、必ずしも工賃アップに直結するとは限りません。
なぜなら、利用者さんのペースに合わせていると効率が上がらず、結果として生産活動の収益が伸びにくいからです。
B型事業所においては、利用者さんの成長支援と工賃向上の仕組みづくりをどう両立させるかが最大の課題です。
ステップアップの設計は単に「ペースに合わせる」ことではなく、無理のない範囲で効率を意識できる作業工程や役割分担を
整えることが重要になります。
次回のブログはコチラ⇒<B型事業所の訓練と生産活動③>生産活動の広げ方
お問い合わせはこちら
就労継続支援B型事業所の生産活動サポート(ブラッシュアップスクール東北)